DLQI(Dermatology Life Quality Index)、Skindex29

DLQIは1992年にイギリスのAY Finlayらによって作成された、10項目からなる簡易な尺度です。Skindex29は1996年にアメリカのMM Chrenらによって作成された、29項目からなる尺度です。どちらも皮膚疾患に関連した健康関連QOL(Health related Quality of Life: HRQOL)を測定することができます。
日本語版は、DLQI、Skindex29とも、2003年にニキビ患者において計量心理学的評価が終了しています。他疾患における評価は、現在継続研究中です。 DLQIとSkindex29のマニュアルを購入された方は、質問紙やマニュアルに掲載されている情報を、非営利目的の研究に使用することが認められています。

日本語版版権者

DLQI日本語版版権者
  • Finlay AY.
Skindex29日本語版版権者
  • Chren MM, Fukuhara S, Suzukamo Y.

開発論文

DLQI開発論文
  • Takahashi N, Suzukamo Y, Nakamura M, Miyachi Y, Green J, Ohya Y, Finlay AY, Fukuhara S; Acne QOL Questionnaire Development Team. Japanese version of the Dermatology Life Quality Index: validity and reliability in patients with acne. Health and quality of life outcomes 2006; 4: 46.
Skindex29開発論文
  • 福原俊一, 鈴鴨よしみ. DLQI日本語版とSkindex-29日本語版. アレルギーの臨床 2007; 358: 23-7.

尺度使用登録申請 →  
非営利目的で使用される方は、使用登録が不要です。マニュアルをご購入いただき、付録の調査票を複製して使用してください。
DLQIを非営利目的以外で使用される場合は日本語版版権者のDr. Finlay AY.へお問合せください。
Skindex29を非営利目的以外で使用される場合は使用登録が必要です。  

マニュアル →  
DLQIとSkindex29の説明や使用方法、スコアリング方法等について解説するとともに、開発研究のデータなどが掲載されています。  

質問紙サンプル

DLQI、Skindex29の構成、比較、使用上の注意

DLQIの構成

DLQIは、全10項目から成り、総合得点と6つの下位尺度得点を算出することができます。

6つの下位尺度と項目数
下位尺度 項目数
症状・感情(Symptoms and feelings) 2
日常活動(Daily activities) 2
レジャー(Leisure) 2
仕事・学校(Work and school) 1
人間関係(Personal relationship) 2
治療(Treatment) 1

Skindex29の構成

Skindex29は全30項目、3つの下位尺度から成ります(全30項目中1項目は下位尺度得点の算出に使用されないため、実質29項目となります)。

3つの下位尺度と項目数
下位尺度 項目数
感情(Emotions) 10
症状(Symptoms) 7
機能(Functioning) 12

DLQI、Skindex29の比較

  • DLQI、Skindex29は、両者とも信頼性・妥当性の面で充分な計量心理学的評価が得られています。
  • 2つの尺度は、その下位尺度が測定する領域(内容)がやや異なります。どちらがより高い計量心理学的特性を持つかは一概には言えず、今後の研究を待たねばなりません。
  • DLQIは10項目という少ない質問数で構成されているので、短時間で実施できることが長所です。少ない項目であるにもかかわらず、総合得点だけでなくその下位尺度の得点もある程度の検証力を持ちます。したがって、他の尺度と組み合わせて使用する場合など、項目数をできるだけ少なくしたい研究においては利点が高いと言えるでしょう。
  • Skindex29は、DLQIに比較すると項目数が多く、それだけ回答者に与える負担は大きくなります。しかしその分精度は高くなり、より詳しい評価を求めたい場合には有効です。

DLQI、Skindex29使用上の注意

DLQI日本語版、Skindex29日本語版は、測定したい疾患に合わせて「皮膚の状態のせいで」の部分を「○○のせいで」(例:「にきびのせいで」、「アトピー性皮膚炎のせいで」、など)と置き換えることが認められています。この部分以外の文言の変更は認められていません。