QDIS® (QOL Disease Impact Scale)

QDIS®は、全く新しい疾患特異的QOL尺度です。QDISは、従来の疾患特異的QOL尺度および包括的QOL尺度両方の長所を有するとともに、両方の短所を克服する画期的な尺度といえます。疾患名や症状以外は、全く同一の共通質問項目と回答選択肢で(共通のmetricで)測定することにより、測定の標準化を可能にしました。また、国民標準値を得ることもでき、包括的QOL尺度でしか可能ではなかったNorm based scoring(NBS)も可能です。この共通のmetricで測定することにより、異なる疾患の間で、QOLを比較することも可能になりました。 QDIS日本語版には、QDIS-7、QDIS-1およびQDIS-MCCがあります。

QDIS日本語版には、QDIS-7、QDIS-1およびQDIS-MCCがあります。


日本語版版権者

  • JWRGとShunichi Fukuhara

開発論文

  • Fukuhara S, Yamazaki H, Wakita T, Ware JE Jr, Wang J, Onishi Y, Yajima T, Sada K, Yamamoto Y, Shibagaki Y. Validation of a new instrument for measuring disease-specific quality of life: A pilot study among patients with chronic kidney disease and hyperkalemia. Annals of Clinical Epidemiology. 2023, Volume 5, Issue 1, 13-19
  • Ware JE Jr, Gandek B, Guyer R, Deng N. Standardizing disease-specific quality of life measures across multiple chronic conditions: development and initial evaluation of the QOL Disease Impact Scale (QDIS®). Health and Quality of Life Outcomes. 2016 Jun 2;14:84. doi: 10.1186/s12955-016-0483-x.
  • Mindy L. McEntee, Barbara Gandek, and John E. Ware.Improving multimorbidity measurement using individualized disease-specifc quality of life impact assessments: predictive validity of a new comorbidity index.Health and Quality of Life Outcomes. (2022) 20:108.
QDISを使用するには  

QDISを使用して調査を行う場合は、使用登録申請が必要です。
アカデミックユーザーにはライセンス料が発生しません。*
使用登録には「質問票」、「Web版スコアリングシステム」、「マニュアル」が含まれます。

質問票: 用紙調査の場合は、PDFファイルをダウンロードし、契約数を印刷してご使用ください。電子調査の場合は専用URLを納品いたします。

マニュアル: QDISの開発過程、構成や使用方法についてより詳細に説明しています。マニュアルはこちらから閲覧が可能です。

Web版スコアリングシステム: インターネット経由でWebブラウザ上で使用するシステムです。QDIS質問票を使って得られた得点を、標準化されたスコアリングアルゴリズムを用いて計算することができます。

*スコアリング料、電子調査の場合には費用が発生します。

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QDIS質問項目

QDISの種類・構成・スコアリング

QDISの種類

QDISには、以下の3種類があります。

1.QDIS-1

QDIS-1は、QDIS-7の最初の質問項目・回答選択肢だけを用いて測定する単一項目尺度です。一項目で測定できることが特長です。理論的に、7項目で測定する場合と同じ偏差値得点が得られますが、測定精度はQDIS-7よりも低くなります。言い換えれば、信頼区間が広くなります。

2.QDIS-7

QDIS-7は、QDIS-1を含む7つの質問項目・回答選択肢で構成された尺度です。QDIS1に比べて質問項目が7項目に増えますが、回答時間は、通常2分以内です。理論的に、QDIS-1で測定する場合と同じ偏差値得点が得られ、測定精度はQDIS-1よりも高くなります。言い換えれば、信頼区間が狭くなります。

3.QDIS-MCC

QDIS-MCCは、複数の併存疾患(症状)リスト(約30個)を回答者に示し、それぞれの疾患や症状の有無を回答させ、「有り」と回答した特定の併存疾患(症状)について、それぞれの疾患(症状)によるQOLへのインパクトをQDIS-1で測定する尺度です。複数の慢性疾患・症状がある時(multimorbidity)、これらによるQOLへの総合的なインパクトを定量化できます。もちろん単一の疾患・症状それぞれによるQOLへのインパクトも測定可能です。

QDIS-1およびQDIS-7には、スタンダード版(振り返り期間が過去1ヶ月)とアキュート版(振り返り期間が過去1週間)、24時間版(振り返り期間が過去24時間)があります。

 

QDISの構成

QDIS-7は以下の7つの質問で構成され、特定の疾患、症状、治療によるQOLに対するインパクトを測定します。質問ごとに想定されるQOLのドメインがありますが、ドメインごとの評価はせず、全体として評価されます。
なお、QDIS-1は下記の7項目の内、一番上にある「QOL全般へのインパクト」を測定する1項目で構成されます。

表:QDIS-7の構成
各項目の英語名 内容 略号
1. Everyday activity QOL全般へのインパクト (QL)
2. Usual physical activities 身体活動へのインパクト (PF)
3. Work daily activities 日常的役割の遂行へのインパクト (RL)
4. Worn out, tired 疲労感へのインパクト (FT)
5. Social family friends 社会活動へのインパクト (SA)
6. Frustrated fed up 心の健康へのインパクト (EM)
7. Worry health future 将来の健康の見通しへのインパクト (HO)