ESS (Epworth Sleepiness Scale) 日本語版(JESS)

ESSは、1991年にJohn MWによって作成されました。8項目からなる尺度で、主観的な日中の過度の眠気を測定することができます。
ESSは、英国の胸部疾患学会のガイドラインにおいて眠気の評価に使用することが推奨されており、世界各国で使われています。 また、ESSは睡眠障害の患者さんだけではなく、一般の方々の眠気も測定することができ、さまざまな調査で用いられています。ESS日本語版(JESS:Japanese version of ESS)は、日本呼吸器学会,睡眠時無呼吸症候群に関する検討委員会から委託を受け、作成されました。ESS日本語版に関する権利は全て、Johns MとQualitest株式会社が保持しており、Qualitest株式会社は、ESS日本語版の登録受理・配布に関する業務を独占的に行う機関として、版権者から認められています。

日本語版版権者

  • Johns M, Qualitest.

紹介論文

  • 福原俊一, 竹上未紗, 鈴鴨よしみ, 陳和夫, 井上雄一, 角谷寛, 岡靖哲, 野口裕之, 脇田貴文, 並川努, 中村敬哉, 三嶋理晃, Murray W. Johns. 日本語版the Epworth Sleepiness Scale(JESS) ~これまで使用されていた多くの「日本語版」との主な差異と改訂~. 日本呼吸器学会雑誌 2006; 44: 896-8.

開発論文

尺度使用登録申請へ →  
非営利、営利使用を問わず、ESS日本語版を使用して調査を行う場合は、使用登録申請が必要です。

質問票の転載について→  
ESS日本語版を印刷物やWebサイトへの転載するためには営利、非営利使用を問わず許諾が必要です。

ESS日本語版(JESS)のダウンロード

ESS日本語版調査票のサンプルは、下のリンクより閲覧が可能です。

非営利、営利使用を問わず、使用登録の手続きが必要となります。ライセンス料は新たな測定ツールの開発、より使いやすいサポートツールの開発に使用され、健康評価・アウトカム評価に貢献します。

ESS日本語版(JESS)の測定概念と構造、特徴

ESS日本語版(JESS)の測定概念と構造

ESS日本語版(JESS)は、現代の日常生活でよく行う活動においてうとうとする可能性を測定する尺度で、1つの概念で構成されています。項目数は8項目です。  それぞれの項目に対する回答は4段階の選択肢から成り、各項目の回答に対して0から3の点数が与えられます。一次元性が確認されており、8項目の合計得点で評価され、得点が高いほど眠気が強いと評価されます。

ESS日本語版(JESS)の特徴

ESS日本語版(JESS)が開発される以前から、既にESSは日本でも多く使われていました。しかしながら複数の尺度が存在し、それらの中に尺度開発のための標準的な手続きを踏んで作成されたものはありませんでした。尺度によって少しずつ内容が異なっていたり、使い方もさまざまであったりと、統一がなされていませんでした。
また、ESSは本来、日常でよく行う活動において生じる眠気の可能性を測定する尺度ですが、日本ではその測定概念の理解に誤解や混乱があり、それが文章や回答選択肢の不適切な表現に反映されていました。このことは、海外での実施結果と比較して欠損値の割合が高かった一因でもあったと考えられます。加えて、内容の意味があいまいな項目もありました。
ESS日本語版(JESS)は、オリジナル(英語版)の測定概念を保持しつつ、日本人の生活様式に適した項目に修正したことが特徴です。項目内容の変更においては、複数の代替項目を作成し、項目応答理論を活用し、原版の項目とできるだけ同等の特性(潜在特性の位置づけ、識別度)を有する項目を選択しました。  この日本語版は、既に計量心理学的に信頼性・妥当性が検証されています。